このオフ、最大のトレードは、フィリーズがブルー・ジェイズから右腕、ロイ・ハラデー
投手を獲得、マリナーズがフィリーズ左腕、クリフ・リー投手をもらった事件でしょう。
ともにサイヤング賞受賞投手の2人が、同じ日に同時に交換トレードされたのは、
史上初めてのことでした。
外電はこれを「ブロック・バスター」(大型爆弾)と形容していますが、移籍のうわさが
あったハラデーはともかく、ポスト・シーズンに1人4勝もした実績抜群のリーが
移籍とは、だれも、あっと驚く隠しトレードでした。
このきっかけは、ウィンター・ミーティング終了後、みんな引き上げるとき、
インディアナポリスの空港で、フィリーズのアマロGMが、マリナーズのズレンシック
GMに「こういうプランがある。どうかね」と、耳打ちしたのがきっかけ、と
言われています。
わが耳を疑う提案に、ズレンシックGMは「まさか!」と、絶句したそうです。
この大型商談は極秘にされ、どの新聞も知りませんでした。
アマロGMは密かにブルー・ジェイズとのハラデー獲得のメドが立ったため、
リーの取引できる相手を捜した結果、マリナーズに持ち掛け、だれも「まさか」の商談は
一気に成立したのです。
リーは2010年オフのFAになり、フィリーズは引き留めは困難になると判断。
FAになる前に、と放出を決めた、という背景があります。
ブルージェイズ(ハラデー)、フィリーズ(リー)はともに3人の若手有望株を交換で獲得。
エース放出でも将来を考えれば、損はしない、の計算もありました。
これで、マリナーズはキング・フェリックスの右腕ヘルナンデスと、左右の完投エース
がそろい、エンゼルスの最大のライバルになるのは間違いありません。
それにしても、こういう大型商談が全く漏れず、突然成立したのですから
ものすごいですね。
一時、ハラデーの獲得が有力、と言われていたヤンキースは、さぞショックでしょう。
ライバルのレッドソックスにはエンゼルスの右腕エース、ラッキーが入り、
このオフ、最大の補強目的だった投手陣の整備は、ペティトの残留だけとは、
このオフ、今後、どうするか見物です。
了
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