ここには、この博物館にしかない珍品も飾ってあります。
地元のドジャース、エンゼルスが主体に展示されて、コーナーを独立させた
いるのは当然として、「こんな選手がいたのか」と、思うような選手もいました。
カブスで新人王、ゴールド・グラブ賞を受賞した、ケン・ハッブス内野手です。
奥の壁の左右に展示されていました。
なぜ、特別に展示されているのか?良く調べてみると、
彼は、このニューポート・ビーチに近いリバー・サイドの出身なのです。
1961年、カブスでデビュー(10試合)、1962年、新人王に輝き、この年、
78試合連続ノー・エラー(418チャンス連続)の新人新記録を作り、
新人では初めてゴールド・グラブ賞を受賞する大活躍でした。
しかし、1964年2月、自家用飛行機を操縦中、ユタ上空で事故死を遂げる
悲劇の人になりました。大リーグ在籍、わずか2年の悲運でした。
この年、661打数の新記録を作り、三振129個もリーグ最多記録。常に積極的に
ガンガン行くタイプだったようです。
自家用機の事故死、というと、ヤンキースのサーマン・マンソン主将の事件
を思い出しますが、ハッブスが健在だったら、もっと活躍したかもしれません。
もっとも、翌年は打率・235に急降下、エラーも22個に増え、オフは悩んでいたのも
背景にあったのかもしれません。
掲げてあるホーム、ビジターのユニホーム、若々しい横顔、数々の遺品は、
遺族が寄贈されたものです。
もうひとつの珍品は、背広姿のベーブ・ルースが、イェール大学野球部主将
だったジョージ・ブッシュ元大統領から記念品を受け取っている写真です。
ブッシュさんは白のユニホーム姿、というもの珍しい記念写真。ルース
はすでに引退していて、病で倒れる直前のときでした。
タイ・カッブがスーツの正装で立つ写真も地下室で発見しました。カッブの
ユニホーム以外の姿はほとんど見かけません。フランシス・バーク氏コレクション
の寄贈、とありました。
「子供たちに夢を与え、将来に自信を持たせたい。そのための100人余になる
アスリートの歴史を伝える」と、博物館のミッションがあります。
この目標に沿い、殿堂入りのブルックス・ロビンソン三塁手を招くディナー・ショー
も、2009年10月20日、ニューポート・ビーチで開催しました。
本当に惜しい。もっとスペースがあれば、子供たちの学習になる展示スペースも
集会もやれるホールもできるのに、と、何度も思いました。
了
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