アメリカン・リーグの新人王(11月16日発表)は、アスレチックスのクローザー、
アンドルー・ベイレー投手が受賞しました。
ベイレーの受賞はチーム歴代8人目。1952年、フィラデルフィア・アスレチックス
時代のハリー・バード以来、8人も受賞したのは、ヤンキースと並ぶ、ア・リーグ最多の
選出です。新人の発掘に成果を挙げている、ビリー・ビーンGM(ビリー・ボールの著書
で有名)の眼力はいかにすごいか、を証明するものでしょう。
この6年間に3人目。ビーンGMは三振を取れる球威があるのに、マイナー(2A
ミドランド)で苦闘しているベイレーに注目。彼のの改造を巡回コーチ、
ギル・パターソンに依頼したのは2008年。
「速球に変化を持たせるカット・ボールを身に付けたらやれるのではないか」と、
パターソンはベイレーを個別指導。
先発で駄目なら(当時3年目でミドランドでは先発して1勝8敗、防御率6・18の不振)。
「あせらずやれよ」と、励ましました。
しかし、この助言を生かし、後半は22試合、防御率0・92と大変身。
救援転身は見事に成功。オフのアリゾナ・リーグを経て、春のキャンプでは失点ゼロ。
晴れてアスレチックスのベンチ入りしました。
初セーブはチーム27試合目、5月8日、と遅かったのも「最初はプレッシャー
の掛からないところで」と、ボブ・ゲレン監督の慎重な起用で雰囲気に
慣れさせるためでした。
以後はトントン拍子。チーム新記録の26セーブ。「自信を付けたら怖いもの
はなくなった。ブルペンでいろいろアドバイスしてくれた先輩のお陰」
と、感謝の会見でした。25歳。会見の笑顔は初々しい青年です。
発表を聞いた父も婚約者のアマンダさんも「まさか?ショック!」と、びっくり。
友人からお祝いのメールが携帯に100人も殺到したそうです。
今季、ア西地区最下位に終わったアスレチックスですが、来年は
若手の成長で楽しめます。
了
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