ドジャースの実況中継アナ、59年間も皆勤した、ビンス・スカリさんが「私はもう体力の
限界。2010年を最後に引退したい」と、11月10日、初めて心境を明らかにしました。
11月の29日には82歳になるスカリさん。MLB30球団の中継担当アナで、
スカリさん以上の高齢アナは1人もいません。
もう、すでにクーパースタウンの野球殿堂入りしているスカリさんは、まさに伝説の
存在ですが、引退したい理由は「公式戦は休みがなく、妻の側にいることができない。
ディナーの時間にはナイター中継。妻は常に1人。2人が離れている時間は
なくすようにしたい」と、言うのです。
スカリさんの声は、とても暖かいのです。声は高からず、低からず、実に聞きよい
はっきりした発音なのです。日本人でもすぐに分かる英語です。
ファンには、これ以上はない”ドジャース・ボイス”。本当の名手です。
話の合間に、良く調べたデータや、エピソードをさりげなく折り込み、
話に重みを持たせる、納得させる話術の巧みさは、抜群です。
私も、何度も聞き惚れました。もし、いなくなられるなら、本当に寂しい、と思います。
10日は、サンデー夫人との結婚記念日。36回目のお祝いをしたあとの
引退宣言です。サンデー夫人は背中を痛め、高齢で心配なのも、「妻の側に
いたい」理由のひとつではないでしょうか。
子供は5人(長男のマイケルさんはヘリコプター事故死)孫は18人の大家族。
「年間のスケジュールに拘束された仕事から解放され、スーパーマーケットに
買い物に行く。この、のんびりした時間をエンジョイできればはうれしい」
と、スカリさんは語っています。
この偉大なスカリさんの後継者探しは大変でしょう。ドジャースは、ワールドシリーズ
を逃し、オーナー夫妻のトラブルで暗いオフです。スカリさん、お元気で来年も。
了
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