バド・セリグ・コミッショナーは、7月29日、「ファンハウス・コム」で永久追放処分を
受けている、大リーグ最多安打記録保持者、ピート・ローズ(元レッズ)の復権申請
について「私が処分を解除することはできない。当時のコミッショナーの下した
最終決断を支持する」と、改めて自らの見解を明らかにしました。
ことの起こりは、クーパースタウンの殿堂入り表彰式典の最中、殿堂入りしている
ハンク・アーロン氏と話しているとき、アーロン氏が「私はピートは殿堂入りする資格
がある、と思うが」と、問いかけたとき、「参考になる意見だ」と、否定も肯定も
しなかったのですが、式典後、ニューヨークの記者が、アーロン氏に「セリグと
何を話したのか?」と聞いたところ「コミッショナーは”ピートは資格はある”と
言っていたよ」と、処分解除もありそう、と打ち明けたため、記者は
「これはビッグ・ニューズだ」と、すぐに”復権近し!”の、記事にしたものです。
新聞を見て驚いたセリグ氏は「私の一存で決められる問題ではない。私の姿勢は、
オールスターのとき、タウンミーティングで、シューレス・ジャクソンやローズ
は、さらに、慎重な捜査を必要とする、と話した通りです」
と、釈明したのです。
殿堂入りのOBの中には、アーロン氏と同じように「入れてやれよ。あんな記録
はもうできない」と、ローズの復権を支援する人も少なくありません。
だが、監督自ら自分のチームの勝敗に賭ける、という禁じられた過ちをして、
FBIの捜査で事実(証拠書類)が判明、ローズは賭けを認めて謝罪し、
追放処分にサインした以上、これはくつがえるはずはない、と、思います。
殿堂委員会は、すぐに「追放処分者は資格はない」という選考規定を定め、
そのままになっています。
現在も「ライトイン」’(手書き投票)でローズに投票するのは自由ですが、
票はわずかしかありません。
1989年8月24日、当時処分を決定した、バート・ジアマッテイ・コミッショナーは
その1週間後に服務中、急死する悲劇も起こりました。
「1年後には復権を申請できる」と、追放処分文書には書かれてはいますが、
簡単に「もう反省したから、いいだろう」というわけにはいかないでしょう。
もう処分から20年間も過ぎました。ローズはこのまま、過去の歴史に
埋もれてゆくのでしょうか。
了
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