ワシントンはスミソニアン博物館、美術館が連なる歴史的遺産の宝庫です。
他の都市にはない「肖像画美術館」を訪ねました。
地下鉄のイエロー、グリーン、レッドの3ラインが交差するチャイナタウン駅で下車。
エスカレーターを上ると、すぐ頭の上にある、石造りの堂々たる建物がこの美術館です。
スミソニアンはどこもそうですが、入場無料のサービスなのは本当に素晴らしい、
と思います。
館内に入ると「リュックは預けてください。手に持てるバックひとつだけ」
と注意されました。入り口右横にあるコイン・ロッカーは25㌣を入れないとカギ
がかからない仕掛けでした。
館内の呼び物は歴代大統領の肖像画、写真、絵の展示です。貴重なものばかり
が飾られていますが、特に、国宝級、と言われるジョージ・ワシントン大統領の全身画は、
いつも、たくさんの人の関心を集めています。
私のお目当てはスポーツマンの画像。3階へ上がり、天井を見上げたところ
の狭い通路左右に展示されていました。
狭い階段を上がると、左右の壁に並んで掲げられています。
階段を出た一番手前には、ノーラン・ライアン投手の力投するフォーム画(油絵)。さらに
カールトン・フイスク捕手、ビリー・マーチン監督、と続きます。
私が驚いた発見は、以前、インディアナポリス市の「スポーツ・アート博物館」
で紹介した、ケーシー・ステンゲル監督の銅像、ヨギ・ベラ捕手の胸像が飾られて
いたことでした。
2作品とも作者も同じロダ・シェリルさん。監督像はスポーツ・アート博物館中庭に建つ
像より小さくなっています。作者はもう一体、造ってスミソニアンに寄付した、
と考えられます。あの中庭像は全体が風化していましたが、こちらは、眼光鋭く、風格を
漂わせる作品で、左足元に置かれた白球も汚れていません。
「なるほど、原画はこうだったのか」と、改めて、在りし日のステンゲルを思い出しました。
しかし、入館してもらう案内図には「チャンピオン・コーナーは4階です」
とあるだけで、展示の詳細には何も載せてありません。
これでは、よほど、スポーツに関心がある人でないと、ここまで、見に来ない、
のではないでしょうか。
どの作品も立派な原画ばかり、歴史を思い出すものですから、
時間を掛けてじっくり眺めたい、と、思いました。
(了)
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