バド・セリグ・コミッショナーは、7月14日、セントルイス市アメリカ・センター
で恒例のファン対話集会を開き、あらかじめ抽選予約していた質問を受け付け、
今後の見通しなどを語りました。
過激な質問こそありませんでしたが、各地のファンが常に抱いている素朴な質問は、
セリグも何度も「グッド・クェスチョン!」と、叫んで真剣に応じていたのが印象的でした。
面白い、と思ったいくつかを紹介しましょう。
「NFLはロンドンでプレシーズンマッチ開催を決めている。欧州でメジャー試合
の計画はありますか?」
「今は何もないが、WBCの成功で欧州での野球熱は盛んになったのは確か。
近い将来やれる、と考えている」。
今、メジャーには欧州出身選手もおり、メジャーからの欧州へのコーチ派遣は
実りつつあるのは事実です。専用野球場も誕生し、恵まれた素質の選手が巣立つ可能性は
十分にあると思います。欧州開催はそう遠くはない、でしょう。
「2011年に切れる労協の見通しはどうか、ファンは気になるのですが、
まさか、再び選手会との対立はないでしょうね?」
「労協担当のロブ・マンフレッド氏が近く交渉に入る予定です。いまは15年間
も労使共存を続けてきたので、現在の繁栄がある。選手会専務理事も
交代したので、慎重に、未来を開く討議を重ねたい」
労協は2012年12月が協定切れの期限。すでに選手会は陣頭に立つ
専務理事に、ドン・フェア氏から、マイケル・ワイナー氏にバトン・タッチしました。
この人もハーバード・ロースクール出身の専門家。すでに20年余
も選手会の仕事を担当しています。今の経済不況時代では、もう、ストや
ロックアウトで対立する自滅の道をたどることはない、と信じます。
今の市場を崩す愚行はお互いにやらない、と思います。
セリグは「さらにより良い繁栄を」と、ファンに約束した以上、
いい結論は期限切れまでの2年半に出るのではないでしょうか。
了
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