6月20日、シンシナティのグレート・アメリカン・ボールパークで、第3回
の「市民権運動記念試合」レッズ対ホワイトソックスのインターリーグが行われました。
これまでの2回は開幕前の3月下旬、メンフィス市(テネシー州)で開催してきましたが、
3月は寒く、天候も不順(雪もある)なため、初めて公式戦の途中、シンシナティ市
に開催が決まったのです。
地元のレッズは「シンシナティ市は黒人の社会地位向上に長年の運動を重ねてきた
土地。この記念試合開催のイベントを行うにふさわしい場所」と、
レッズのボブ・カステラニ・オーナーを先頭に、MLBへ、活発なロビー活動を
続けてきた努力が成功した、ものです。
この陰にはレッズは「イベントを成功させ、オールスター・ゲーム開催の土台を作ろう」
という夢があるのです。
この日の午前には、市内で黒人の社会的位置を高める功績を称える「ビーコン賞」
受賞式があり、通算最多本塁打記録、755本を作ったハンク・アーロン氏、
ヘビー級の偉大なチャンピオン、ムハメド・アリ氏、テレビで活躍中のビル・コスビー氏
の3人が招かれました。アリさんは病に冒され、座ったままの姿でしたが、元チャンピオン
のシュガー・レオナード氏が介添えしてサポートしていました。
アーロン氏は「私は多くの黒人の道を切り開く期待を背負ってプレーしてきた。
もっと多くの黒人選手が野球に飛び込んできて欲しい」と、訴えました。
これは、この夜の始球式に招かれた、殿堂入りのフランク・ロビンソン氏も、
同じ思いでした。
ゲストで招ねかれたビル・クリントン元大統領も「人は平等。さらにこの運動を広めたい」
と記念講演のスピーチをしました。
市内ダウンタウンの憩いの場「ファンティン・スクエア」(ここは見事な噴水が上がる
広場でベンチも多く、昼休みには満員になる盛況です)で野球教室。少年たちを
招いてMLBのOBが教えました。黒人選手の減少傾向には歯止めがかかった、
という報告もありました
2010年のシビル・ライツ・ゲームの開催都市は、12月7日からインディアナポリス市
で開催される「ウィンター・ミーティング」で発表される予定です。
了
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