MLB選手会のリーダー、ダン・フェア専務理事は6月22日、引退を表明しました。
組合入りして25年間、選手の地位向上へ、めざましい働きをした中心人物で、野球
の国際化、マーケットの拡大へ、この人がいなかったら、これほど、選手が平均年俸
300万㌦のリッチマンになる道は開かれなかったでしょう。
初代の組合創立のリーダー、ゼロから出発し、選手はただ使われるだけの存在
だった昔から努力し、フェアにバトン・タッチした、マービン・ミラー氏は、こう話して
います。
「私は何もない選手会をMLBに認めさせ、組合として認知させる道を付けた。ダンは
私が”この男はやれる”と、見込んだ人物だった。法律の研究もし、どうしたら
明るい未来があるか、共同作業で取り組んできた。その成果は想像を超える
素晴らしいものがある。何と言っても、契約で縛られ、何もできなかった時代に、
保留条項を撤廃し、FA制度への道を開いた功労者。年金問題も解決した。
この長い年月の成果には、ご苦労さん、という、感謝の言葉しかない」
最大級の賛辞です。
フェアは1985年に正式に組合入り、FA権を粘り取り、1994年、1年間もの長期ストで
地位向上を勝ち取りました。「国民行事をストで止めないでくれ」と、政府も
干渉しましたが、ガンとして主張を曲げず、年俸アップも道も開いたのです。
彼はキャンプ訪問で全部の球団を駆け回り、一致団結を呼びかけ、各チーム
の選手会会長に先頭に立て!と激励し、休みも取らず、動き回った行動派
でした。
もう60歳。MLBとの協調路線も保ち、ともに共存する平和社会も築きました。
ただ、薬物禁止問題に遅れ、薬害防止に消極的だったのも否定できません。
後任は法律最高顧問で、1988年から共同作業をしてきた、マイケル・ウェイナー氏
と言われています。彼もハーバード大法律科の専門家。2011年に契約が切れる、
今の労協をどう継続してゆくのでしょうか?まさか、もうストはない、と思いますが、
バド・セリグ・コミッショナーとの対話が望まれます。
了
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