シティズンズ・バンク・パークの内部にも、多くの展示があります。
正面のクラブ・ルーム2階のコンコースには、壁面いっぱいに、
「クーパースタウン・ギャラリー」が掲げられています。
これは、フィリーズ殿堂入り人物の群像が油絵で描かれています。
写真ではなく、精密に描いた絵画なのが、他にはない、一大特徴です。
大きな黒塗りの額に収められた、見事な出来映えの絵は、
じっくり観賞できるセッティングです。
外野のアシュバーン・アレイの4重構造といい、この手間が掛かる油絵といい、
「歴史博物館として後世に残したい」この球場の努力が分かります。
正面入り口には、公式試合ボールをびっしりと、ケースに埋め込み、
そこに、記念写真、グッズを置く展示も、凝ったやり方でした。
クーパースタウン・ギャラリーの中央には、コニー・マック監督の記念の品々を収めた、
特別ケースもあります。
2階コンコース一帯の全体構成は、すべて先人の偉業を称えるものばかりです。
油絵の配列順は、クーパースタウン野球殿堂入りした年代順です。
ナポレオン・ラジョイ二塁手を筆頭に、7点が並んでいます。
柱を隔てて、第2壁面、さらに、第3壁面、と続いてゆきます。
この油絵に添えられた説明文は、簡素ながら、その人物の個性を描くエピソードが面白く、
しばし足を止めます。だから、これらを丹念に読んで行くと、
時間の経つのも忘れてしまい、気がつけば、試合が始まってしまっている、のです。
「何故か?」と思ったのは、壁面第3グループに、ロイ・キャンパネラ捕手、
トム・ラソーダ監督の2人が入っていることです。
2人とも、ドジャースの歴史的人物。何も、フィリーズには関係はありませんが、
ともに、ペンシルバニア州出身だからです。キャンパネラは、フィラデルフィア市生まれ。
ラソーダは、ノリスタウン市生まれです。
「ペンシルバニア州関連の人ならOK」という、フィリーズのおおらかな受け入れ方がいい
ではありませんか。
了
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