この球場外野の「グレイター・フィリーズ・ベストナイン」には、ピート・ローズ一塁手
も選考されています。野球賭博疑惑で永久追放処分が解けない今、本当は表に出す
のははばかるのでしょうが、フィリーズは「ウォール・オブ・フェイム」には、
正式にローズは掲額していません。
それでも、ここに入れたのは、史上最多安打を記録し、フィリーズの王座にも貢献した
ローズを、すべて消し去るのは忍びなかった配慮があったようです。
このベストナインは、ファン投票を土台に選出したからで、「ファンの願いを叶えたい」
苦心の展示なのです。
現役ユニホーム組では、フィリーズ監督から、ドジャース三塁コーチへ転出。
現在も活動している、ラリー・ボワ遊撃手が、ただ1人、ウォール・オブ・フェイムにも、
この投票ベストナインにも選ばれています。
ボワは攻守兼備の遊撃手で活躍。気性の激しい人物ですが、プレーぶりから、
人気は根強いのが分かります。
場外には、等身大の銅像が4つ建っています。
一塁側にはロビン・ロバーツ投手、三塁側にマイク・シュミット三塁手、
センター・アレイのリッチー・アシュバーン外野手、左翼スタンド前にも
スティーブ・カールトン投手。ファンは球場へ来ると、この像の前で
記念撮影するのが恒例になっています。いずれの銅像も、その選手のベスト・フォーム
で作られ、雄渾な姿は迫力があります。
そして、やや離れた場所に聳えているのが、名将、コニー・マック監督。
球場前の駐車場入り口に建っています。ベテランズ・スタジアムから、球場移転とともに
引っ越してきたもので、スーツ姿で指揮する温顔の姿は「ファンのみなさん、
私は昼夜、ここで応援しています」と、呼びかけているようです。
いずれも、石の台座の上に建ち、どの銅像も見ほれる出来映えです。
了
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