中部オクラホマ州の州都、オクラホマ・シテイは、人口50万
7734人(2006年)。あらゆる産業があり、石油発掘で一気に
人口が増加。また見学したい文化施設も多い、快適な都市です。
ダウンタウン再開発によって誕生したのが「ブリックタウン」。
荒れていた倉庫群を全面改修し、側を流れる運河を利用、レストラン、
ブティックを誘致し、活性化しました。そこに建設されたのが
マイナー3A、レッドホークスのホーム「AT&Tブリックタウン・
ボールパーク」です。
収容1万3066人のこじんまりした野球場。市内から楽に歩いて
行ける便利さ。この球場前広場に立つのが、ミッキー・マントル
外野手と、ジョニー・ベンチ捕手の銅像です。
いや、この2つの銅像の出来映えは見事です。あらゆる角度から眺めても、実に、
ほれぼれする作品です。
マントルはヤンキースの英雄。その背番号「7」のユニホーム姿
は左打ちの会心のスイングで、振り切るバット、腰の回転、特に
夕日を浴びて輝くその表情は、本当に美しい。スィッチ・ヒッター
のマントルのフォームを検討した結果。左打ちがベスト、と決まりました。
球場は1998年4月16日にオープンしましたが、竣工と同時に
マントル像も完成。三塁側入り口広場に据えました。
この銅像の建設資金は、地元企業8社が負担(社名は台座に刻まれて
います)。「マントルに捧げる。彼の不屈の精神は今も生きている。
だれも、その生涯の活躍は忘れない」と、書かれた称える言葉が添え
られています。作者はユタ州ハイランドの彫刻家、ブレイア・
バズウェル氏。2年の歳月を掛けた会心の作品です。
あえて正面広場ではなく、三塁側にセットしたのは、西日を受けた
ときの輝く表情を見せる、演出効果を狙ったようです。
私は、各地で球場前の銅像を見ましたが、すごい、と感嘆
したのは、ピッツバーグのPNCパーク入り口にある
ウィリー・スタージェル外野手の巨大像と、このマントル像
が双璧ではないでしょうか。
オクラホマはマントルの生まれ故郷。今も郷里の人の信仰は絶大
で、観戦に来る家族は、必ずこの銅像の前で記念撮影。
「お前も大きくなったら、マントルのように」と、話しています。
球場前のレストランも「7・ミッキー・マントルズ」の命名。
さらにこの三塁側の道路も「ミッキー・マントル・ドライブ」。
生まれ故郷のオクラホマ州コマース市では「マントル博物館」
建設を計画していますが、資金難で実現しません。
この球場のマントル像こそ、オクラホマの象徴。是非訪ねて下さい。
了
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