テキサス・レンジャースのホーム「ボール・パーク・イン・アーリントン」
は、テキサス州アーリントン市にあります。ダラス市と、フォートワース市
の中間。交通便利、とはいえません。夏は気温35度にもなる、熱帯地帯です。
ここは、一時、ネーミング権利を得た「アメリクェスト社」が、その名前
を付けていましたが、すぐに解消。今は、元の球場名に戻っています。
ここで、行われた「オールスター・ゲーム」を、忘れられません。
1995年7月11日、日本人初の大リーガー、新人の野茂英雄投手が、
ナショナル・リーグの先発投手に抜擢された、ときです。
アメリカン・リーグの、ランデイ・ジョンソン投手と、堂々と、投げ合ったのです。
当時、日本から取材に来たメデイアはあまり多くなく、私は、アメリカ人記者に
「野茂はどういう男か」と、よく聞かれました。
「名前はヒーローの意味。独特のモーションで、社会人、プロの
実績がある。これからも、日本人選手は、たくさん、アメリカへ
来ますよ」と、答えた、ことを覚えています。
「日本人なんて」と、まだ、だれも、相手にしなかった時代。
パイオニア・野茂の功績は、計り知れないものがある、と、思います。
「たくさん、来ますよ」とは、言ったものの、まさか、こんなに、多くの
日本選手が、メジャーに進出するとは、いや、想像を超える驚きでした。
閉口したのは、当時、割り当てられた、左翼スタンドの臨時記者席。
悪いことに、ちょうど、正面の一塁側に、真夏の太陽が沈みます。
正面から照りつける、日差しの暑さに、体が焼ける、思いでした。
太陽は、なかなか沈まず、満員の席で、移動もできず、いや、
今、思い出しても苦しい1日でした。
夏に観戦に行く方は、左翼席だけは避けた方が無難ですよ。自然には
とても勝てません。
当時使っていた、ワープロ(まだ、パソコンはない)が焼けて熱くなり、
あわてて、椅子の下に隠し、熱が冷めるまで、しばし、原稿も書けませんでした。
あんな、難行苦行の試合は、その後もありません。
ともかく、テキサスは熱いんです。ヒューストンのように、
開閉式の屋根もない。本当に大変でした。
ここは、1994年4月にオープン。赤煉瓦の外壁が聳える、斬新なデザイン。
4万9000人収容。場内のいたるところに、テキサスの象徴、
ひとつ★”ロン・スター”が飾られています。この星こそ、テキサス人の誇り、なのです。
了
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