セントルイスで、うれしい知らせを聞いたのは、カージナルス付き35年余
の大ベテラン記者、リック・ハメルさんが、7月29日、クーパースタウン
の野球殿堂入りした、ことです。
クーパースタウンは、選手、監督、審判だけが殿堂入りするのではなく、
記者(J・G・テイラー・スピンク賞)放送(フォード・フリック賞)関係の
方々も、殿堂入り。別室に、写真額が、飾られています。
毎年1回、前年度のベスト・ライターが、全米野球記者会の投票で
選ばれ、今年の、ライターは、ハメルさんでした。
晴れの表彰式の日、壇上に立った、ハメルさんは「私は、打つ、
投げる、守る、のは、とても選手には叶わない。しかし、誰よりも
早く原稿は書ける。そして、私は、カージナルス一筋に、この
道を歩んだのを、誇りに思う」と、スピーチし、満場の拍手
を浴びました。
この”一筋”という点が、今年表彰された、カル・リプケン(オリオールズ)
トニー・グォイン(パドレス)2人との共通点、なのです。
近来、大金でチームを代わる選手が、少なくない中、リプケンも、
グォインも、終始、チーム一筋、そのロヤリテイ(忠誠心)は
高く評価され、2人を祝福しよう、と、表彰式に集まったファンは、
史上最多、だった、そうです。
ハメルさんは、61歳。穏健な紳士ですが、カージナルスの
盛衰を見届け、励まし、賞賛し、チームと、セントルイス
とともに、人生を捧げてきた、のが尊い、と思います。
彼は、立身出世を夢見て、転々とする記者とは違う、のです。
式典の日、多くの、カージナルスOBが、クーパースタウン
に集まり、ハメルさんを祝福しました。
こういう、貴重な人材を大切にし、いつまでも、書かせてくれる
新聞。「セントルイス・ポスト・ディスパッチ」。1878年創刊。
もう、130年の長い歴史を持つ、地元大手紙です。
やがて、ハメルさんの胸像も、ブッシュ・スタジアムの広場に
建つ、のではないでしょうか。
了
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