アスレチックスの2007年ドラフト2位指名(全体の74位)グラント・デズミ外野手が、
1月22日、突然ユニホームを脱ぎ、「カトリックの司祭になる」と、宣言。
球界引退をしました。
「野球は大好きだが、このままマイナーからメジャーを目指すより、
教会への道を選ぶ」決心を明らかにしたのです。
デズミは188㌢、93㌔の右打ちの大型選手。快速でも有名で、特に
「バット・スピードの速さは大物予感がある」と、関係者は注目していた逸材です。
2009年は1Aで打率・288、31本塁打、89打点、40盗塁(失敗5)を記録、
マイナー選手では異例の「30・30」を達成。秋のアリゾナ・リーグにも参加し
27試合、打率・315、11本塁打、27打点を挙げ、MVPに輝いたほどです。
2010年には一気の昇格も夢ではなかったデズミの離脱には、将来を見込んで指名した
アスレチックスのフロントは「惜しいネ。成長すれば大器になったのに」
と、残念がる声も上がりました。
カリフォルニア州ベーカーズフィールドの実家は敬虔(けいけん)なクリスチャンで、
代々のカトリック信者でしたが、その家系とともに、大学時代から故障が多かったのも、
野球断念の理由に挙げられています。
2007年の指名後に手首故障で手術、2008年は左肩故障で1年間わずか
3試合しか出られず、悩みを抱えていたのも事実です。
契約金は43万2000㌦(約3870万円)。サンディゴ州立大学からカル・ポリ大学
へ進学。高校時代は遊撃手でした。
「司祭になる」といっても資格を得るのは容易なことではありません。8月には
同じカリフォルニア州にある「聖ミカエル修道院」で、約10年間の修業を
積まないと、神父への道は開けないのです。長い辛い修業を経て一本立ち
するか、ほとんど前例のない転身に、成否が注目されています。
(了)
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