2009年の「シビル・ライツ・ゲーム」は、6月20日、インター・リーグのひとつ、
レッズ対ホワイトソックスをシンシナチ・グレート・アメリカン・ボール・パーク
で行う、ことに決まりました。
この公民権運動協賛の試合は、2007年から2年間、開幕目前3月末、
メンフィス市で行われてきましたが、「より広い球場で、多くのファンに訴えたい」という
考えで、シンシナチ市が選ばれたのです。
あらゆる人種差別を禁止し、雇用上の差別待遇も違法、とした「公民権法案」が
アメリカで可決されたのは、1964年7月2日。当時のリンド・ジョンソン大統領が
英断で締結した、重要法案です。黒人の社会登用、スポーツへの進出への道が開かれ、
1947年4月15日、ジャッキー・ロビンソン選手が、初めてドジャースで
デビューしてからも、カラー・ライン解放は、まだまだ多難でしたが、この法律施行で、
差別は次第に消えて行きました。
メンフィス市は黒人解放運動のリーダー、キング牧師が暗殺された遺跡を記念する
博物館があるので、最初の試合地に選ばれましたが、開幕前は天候も不順、
ホーム球場のオートゾーン・パークは、1万4200人しか収容出来ないため、
メジャーの球場で、広くアピールを、と、変更されました。
シンシナチ市は、南北戦争前、黒人奴隷援助地下組織があったところで、
黒人解放運動の拠点にもなっていました。初のプロ野球チーム、レッドストッキング・クラブ
(レッズの母体)誕生の地、なのでも知られています。
レッズ監督、ダステイ・ベイカー、ホワイトソックスのGMケン・ウィリアムスは
ともにアフリカ出身。シンシナチ・マーク・マロニー市長も黒人。9月18日、
発表会見に出席した全員は「多くのファンに訴えるイベントにしたい」と、語りました。
今や、メジャーの黒人選手は、全体の8%しかいないほど減少しつつあります。
「黒人が野球をやらない」ことに危機感を持ったMLBが、盛り上げたい、
と、真剣に今後の運動を進める予定です。
了