松原 明の大リーグ

楽しいボルチモア、その６

もうひとつは、ルースんぽ生まれた家です。

球場を出てすぐの、エモリー通りにあるのが、「ベーブルース博物館」

です。

昔は「あの近所は、治安が悪い。注意して下さい」と、言われて

いたのですが、観光に力を入れる、市の努力で、道路は、すっかり

整備され、博物館は、2度の改修工事で、3階建てのビルを補修。

今は、安心して行ける場所。

ドイツ移民だった、祖父が、独自で建設したアパートで、ここで、

ルースは生まれ育ったのです。

「ルース生家保存委員会」が、地区浄化に乗り出し、州、市と

一体で、努力した成果です。

ルース時代を偲ぶものは、居間のセット。丸い小さなテーブル、

飾り棚、母・ケテイさんの写真、暖炉、ぐらいしか、残って

いないのですが、選手で活躍時代の資料は豊富。ルース

の活躍を思わせる展示は、時間を忘れさせます。

病魔に冒され、ファンに別れを告げる姿は、痛々しい。

この生家と、レジェンズは共通チケットになっており、

どちらでも「両方に行きたい」と言えば、大人14㌦

（約１６００円）で入場できます。

インナーハーバー地区は、ホテル、インもたくさんあり、

１００㌦（約1万２０００円）で泊まれます。

来週からは、渡米して、新たな博物館、殿堂巡り。

今度は、現地から、最新の話しをお届けします。

了

楽しいボルチモア、その5

ボルチモアの良いのは、市内の、徒歩圏内に、優れた、博物館

が、２つもあることです。

前からあるのは、ベーブルースの生家博物館、新たに、出来た

のは、「スポーツ・レジェンズ・アット・カムデンヤード」。こちらは、

カムデンヤード球場の目の前に、2005年5月12日にオープン。

カムデンヤードと、全く同じ、デザインで、赤茶色の煉瓦壁、3階

建て、「アメリカ最大のスポーツ博物館」という、副題が付く、最新

設備の博物館です。

館内には、様々の趣向を凝らした展示で、ルースの部屋、リプケン

の部屋もあり、ボルチモアのすべてのスポーツを、分かりやすく

展示してあり、場内は明るく、さすがです。

ここで、注目したのは、阪神タイガースが、甲子園球場と、共同

制作した、ルースのブロンズ彫刻。日米野球文化交流に、この

博物館がオープンした、2日後に贈呈。ルース室の南壁面に、

飾られています。大切に保存されている姿を見ると、感激

します。

ここの、グッズショップは資料豊富。書店では、手に入らない

野球書物も多く、私も、「世界スポーツ博物館」の、貴重な本

を手に入れました。

了

楽しいボルチモア、その４

この殿堂を見学するのは、左翼ゲートのＧか、Ｈで入場すれば

すぐに分かる。チケットはスコアボード横の、「立ち見席」が

わずか８㌦（約９００円）で買えます。かっては、連日満員

だった、カムデンヤードも、チームは万年４位に低迷して

いるため、大幅に減り、満員のことは、滅多になく、安心

して買えるはず。

ここで、ホットドッグ、ビールで応援してはいかか？

この、左翼席外野通路には「ホームランが、ここに

飛んできた」の飛距離が刻まれていて「こんな、ところ

まで打つ人がいたのか」と、改めて、アメリカ・パワーに

驚かされます。

お勧めは、ゲート前の小広場に建つ、ベーブ・ルース

少年時代の銅像。バットを左手に突き、天を見上げるその

姿の凛々しさには、いくら、見ていても飽きません。

大ホームラン王は、少年時代、この、中学校で過ごし、

羽ばたきます。その姿と、だぶらせて眺めるのです。

各地の球場前、銅像を多く見ましたが、私の、一番

好きな銅像は、このルース少年。

彼の生家は、この球場近くに保存されています。

次回は、そこに、案内致しましょう。

楽しいボルチモア、その３

カムデンヤードは、1992年4月6日にオープン。レトロ調の建物

と、最新設備が融合した、近代型の野球場。１９世紀の倉庫が

右翼後方に聳え、これを、うまく取り入れた、設計の巧妙さは、

その後の、新球場建設ラッシュの、モデルになった。

この外野席と、倉庫の間が「ユータウ・ストリート」と、呼ばれる

通路は、屋台が並び、飲食店は軒を連ね、縁日、さながらの

賑わい。

この、センター・スコア・ボードの真下のフェンスに、オリオールズ

の殿堂がある。男女トイレの上に位置し、常に往来が激しい。

屋台のビール・スタンドに寄るファンが、ちらっと、見上げる場所に

ある。

こういう場所に先人たちの、偉業を称える、掲額があるのも、

また、楽しい。ビール、ホットドッグ、バーベキューを楽しむ

ファンが、庶民の憩いの場が、殿堂になっている、のも、

また良きかな。

楽しいボルチモア、その２

港に面した、ボルチモアは、湾を囲む、インナー・ハーバーが

一番の名所。様々な、飲食店街、娯楽施設、観光案内所、

遊園地が並び、港湾クルーズ、水上タクシー、など、1日

いても、飽きない場所。治安も良く、気楽にくるろげるのが

一番のお勧めです。

ここに来るには、ボルチモア国際空港ゲートの端から、

出ている「ライト・レール」に乗るのがベスト。約３０分

で到着。チケットは、わずか、1㌦60㌣（約１９０円）

の安さ。タクシーに乗らなくても（大きな荷物を抱えて

いれば別）安心、早い、安全。白い車体にブルー・ライン

入りのスマートな電車です。インナー・ハーバーで下車

すれば、目の前に、カムデン・ヤード球場が現れる。

空港から直結の野球場は、あまり、ありません。

乗るときも、降りるときも、検札はないので、無賃乗車

はできないこともないが、万一、車内検札に出会うと、

大変。自動券売機で、チケットを買っておくのが無難。

ワシントン空港からも、この電車は結ばれており、夜も

11時まで運転している。

「ビジター・センター」の観光案内所は、インナー・ハーバー

の湾に面して、総ガラス張りの立派な施設。あらゆる

案内がそろい、気軽に対応してくれる。

では、カムデン・ヤードへ。

楽しいボルチモア

私は、全米各地を回り、すでに、大リーグ30球団の

すべてを訪問。各地にある、野球博物館、殿堂も訪ね、

名古屋で発行している、月刊誌「月刊ドラゴンズ」に、「アメリカ野球博物館の旅」

をい連載。やがて、１００回にもなります。

そのノウハウを公開し、ファンの方々のアドバイスになれば、幸いです。

まず、最初は、東海岸のアメリカン・リーグ、オリオールズのホーム、

カムデン・ヤードと、球場を取り巻く博物館を紹介、したい、

と思います。